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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(英語の略語でCOPDと言います)はタバコと関連した病気です。
肺は肺胞と呼ばれる小さな袋が集まって出来ていますが、肺胞の壁が壊れてスカスカになり、空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を起こし狭くなることで、咳・痰および息切れをするようになります。以前は肺気腫とも呼ばれていましたが、CTで見ると肺がスカスカしているのがわかります(胸部レントゲンでは肺が膨張気味に見えます)。

COPDの症状

タバコなどの有害物質や汚染された空気を吸っている中、COPDは密かに進行しています。
肺胞の壁が壊れると、古くなったゴム風船のように弾力がなくなり、空気をうまく吐き出せなくなります。
空気を吸うことは問題ないので、じっとしている時は症状としてわかりづらいですが、長い距離を歩いたり、階段を上り下りした時など、動いた時の息切れがポイントです。症状の程度(グレード)により、治療介入するかどうか考慮します。

グレード 息切れの症状
0 激しい運動をした時だけ息切れがする
1 平坦な道を早足で歩く、あるいは緩やかな上り坂を歩く時に息切れがする
2 息切れのため、同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、あるいは平坦な道を自分のペースで歩いている時、息切れのため立ち止まることがある
3 平坦な道を100m程度、あるいは数分歩くと息切れのため立ち止まる
4 息切れがひどく家から出られない、あるいは衣服の着替えをする時にも息切れがある

COPD診断と治療のためのガイドライン2022を一部改変

COPDの診断と治療

COPDでは奥の方の気管支が細くなるので、呼吸機能検査で1秒間に吐き切ることの出来る息の量(1秒量)が少なくなります。
ただコロナ禍のこのご時世で、必ずしも呼吸機能検査を行わなくても、喫煙歴その他息切れや痰などの症状から、ある程度臨床的に判断がつきます。
その際気管支喘息との見極めが重要ですが、喘鳴や夜間を中心とした咳嗽があれば、より喘息を疑います。

先に述べましたように、COPDでは肺胞の壁が既に壊されているため、薬で治すということは難しいです。
そのため「現在より悪くしない」ことが第一の目標になり、進行を予防するという観点に立つ必要があります。
何よりも大事なのが禁煙ですが、その他症状の程度に応じて吸入薬の使用を考慮します。
吸入薬は息切れなどの自覚症状を和らげることも目的の一つではありますが、効果の実感がないことも多々あります(あくまで「予防」がメインです)。
またCOPDでは「急性増悪」と呼ばれる、症状が急に悪くなり入院を要するというイベントが起こることがあるのですが、吸入薬の使用によりそのリスクを減らす効果があるとされています
(「ぜんそく・COPD治療薬」のページもご参照ください)。

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