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長引く咳

呼吸器症状と聞いてまず思い浮かぶのは「咳」ではないでしょうか?原因となり得る主要な病気(疾患)については個別の説明ページも準備しておりますが、まずは「咳」が続く際に、どのような原因が想定されるのか、その概要について説明させて頂きたいと思います。

なぜ咳が出るのでしょうか?

咳は、気管や肺に異物が入ろうとした(あるいは入っている)時に、それを除こうという防御反応です。ご高齢の方で起こりがちな「誤嚥」も、食べ物がその通り道である食道でなく、間違って気管に入りかけた時に、反射的に咳を出して(ムセる)防いでくれているのです。ただ飲み込みの機能低下が進むと、やがてこの反射自体が起こらなくなり、気付かないうちに誤嚥→肺炎を起こしますので、ムセているうちが華と言えます。

少し脱線しましたが、例えば細菌がのど→気管支→更には肺に巣食おうとしている時、痰で絡めて菌を外に出そうとしています(自浄作用)。痰が増えるのは原因があるので良いことではありませんが、痰自体は悪者ではなく、闇雲に「咳や痰を止めれば良い」という話ではありません。ただそれ以外にも、アレルギーや炎症の経過などで、のどや気管支が刺激されやすくなっていて(痰の出ない)咳が続くことがあり、そういった場合には咳自体を鎮める方策を考えなければいけません。

どういった状況で咳が出ているのか?

私達呼吸器科の医師が気にしているポイントとして、「咳以外の症状」と「時間経過」が挙げられます。前者に関しては、まず「痰」が出ているかどうかが重要です。細菌やウイルスが身体に入ってきた際、白血球が身体の防波堤として、先陣を切って戦ってくれています。その際に出る細菌やウイルスの死骸と相まって、黄色かったり緑色がかったり色のついた痰が出てきます。

次に時間経過についてですが、細菌・ウイルスなどの感染症であれば、増悪→ピーク→寛解といった時間経過を辿ることが多いので、こういった情報も手掛かりとなります。また病気の勢いの経過だけでなく、1日の中でどの時間帯に症状が出るかといった情報も重要です。例えば気管支喘息(ぜんそく)や逆流性食道炎などは、夜間に(痰の伴わない)咳が出ることが多いです。また家にいる時と会社にいる時、どちらで咳が多いのか(環境要因)、その他1日という短い期間ではなく、季節といった長い期間での変動があるのか(花粉症などアレルギー要因)という情報も、大事な判断材料になります。

咳の原因・対応

上記の情報を元に、感染症なのか、アレルギーと関連した症状なのか、その他要因による症状なのかを詰めていきます。問診だけでは推測の範囲を出ませんし、また原因が一つでないことも多々あります(元々アレルギーの要素があり、感染後に刺激されやすくなっているなど)。治療対応も併行しますが、どこまで検査を行うかについては適宜相談させてください。

感染症でも肺炎を起こしている可能性がある場合は、程度の確認のために胸部レントゲンが推奨されます。その他にも頻度が少ないとは言え、腫瘍(がん)などの重要な疾患を見落とさないためにも、症状が長引く場合は確認した方が良いかもしれません。また気道の炎症、アレルギーを確認するためには呼気NO検査が有用です。咳以外にも息苦しいなどの症状がある場合は(気管支喘息慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎などの確認のため)呼吸機能検査も適宜行います。

長引く咳の原因

1.感染
  • 細菌
  • ウイルス
  • その他(真菌、抗酸菌など)
2.アレルギー疾患
3.その他
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