メニュー

2型糖尿病

糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの機能が低下する、または分泌が少なくなる結果、血糖が高くなる病態です。文字通り「尿に糖が出る」のはそれなりに進行した状況ですが、血液中の糖が多くなることが、様々な症状につながります。

「2型」糖尿病とは?

「2型」があるのであれば、勿論「1型」もあります。「1型」糖尿病はインスリンを分泌するすい臓のβ(ベータ)細胞が壊れることにより、インスリンの分泌が少なくなる病気です。子供の時に発症することが多いですが、思春期~成人期にかけて発症することもあります。いずれにしてもインスリン補充対応含め、早急に専門的な対応を要することが多く、総合病院の糖尿病・内分泌内科を紹介させていただくことになります。

一方で「2型」糖尿病は、一般的に想起される「生活習慣と関連した」糖尿病です。内臓脂肪からインスリンの機能を低下させる物質が分泌されて、血液中の糖が多くなります。その結果、活性酸素が増えて血管が傷つけられ、血流が悪くなり、様々な症状につながります。

2型糖尿病の症状・合併症

細い血管がまずダメージを受け、酸素や栄養が運ばれなくなり、神経に影響が出るようになります。神経は脊髄から全身に張り巡らされており、一番遠い手先・足先の神経から症状が出ます(しびれ・痛み)。また身体は、血液中の糖を外に出そうとするので、大量の汗や尿を作るようになります。結果として身体の中の水分が少なくなってしまうので「水分を補給したい!」と信号が出て、のどが渇くようになります。

糖尿病で怖いのは、各種合併症です。神経の症状も、進行すると感覚が鈍るようになります(男性の場合は、勃起障害も起こりえます)。痛みも感じにくくなるため、ちょっとした傷に気付かず、また治りも悪くなるので、足が腐って切断しないといけなくなる最悪の事態も、現実問題として起こり得ます。その他の重要な合併症として、目の症状(網膜症)と腎臓の機能低下があります。神経症状と同様に、目や腎臓のろ過装置の中で、毛細血管がダメージを受けることが原因ですが、失明や透析につながることがあるので、早めの予防が重要です。

また高血圧も血管へのダメージを加速させ、結果として脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる疾患につながる可能性があり、併せて生活習慣病の予防対策を講じる必要があります。

血糖値、HbA1cの管理目標

糖尿病を診断する際に重要なのが「血糖値」そのものと「Hb(ヘモグロビン)A1c」と呼ばれる検査値です。

血液中の糖の増減は直近の食事の影響も受けるので、空腹時またはブドウ糖負荷2時間後(または随時…食後どれだけ時間が経過しているか要確認)の血糖値を指標にします。

HbA1cに関して、そもそもHb(ヘモグロビン)というのは、血の赤い成分(赤血球)に含まれるタンパクで、よく貧血の指標として用いられます。そしてHbA1cは、Hb全体のうち、ブドウ糖がHbに結合している割合を示したもので、直近の食事の影響は受けず、ここ1~2ヶ月の血糖値の動向を反映すると考えられています。

血糖値、HbA1c共に下記基準に該当する場合「糖尿病」の診断となります。血糖値またはHbA1cのいずれかが下記基準に該当する場合は「糖尿病型」として再検査が必要となり、再度基準に該当すると「糖尿病」の診断となります(HbA1cだけでは確定診断とならず、複数回検査のいずれかにおいて、血糖値で糖尿病型の判断がなされていることが必要です)。

血糖値

空腹時

126以上

ブドウ糖負荷2時間後

200以上

随時

200以上

HbA1c

6.5%以上

糖尿病治療ガイド2020-2021を一部改変

血糖値をなるべく正常に近づけることが目標ですが(HbA1cであれば6.0%未満)少なくとも合併症予防のためにも、HbA1cを 7.0%未満にコントロールしたい所です。後述する低血糖の副作用などが問題となる場合は、HbA1cの目標値を8.0%程度で許容することもあります。

また糖尿病の治療中は、日々の血糖(食前)を確認することが重要です。HbAcはすぐに変動するわけではないということと(月に1回測定)、血糖を下げる薬を使用している際に、逆に血糖が低くなり過ぎて(低血糖)吐き気や気分不良、その他冷や汗が出たり、動悸・震えがしてしんどくなることがあるからです。そういった症状が出た場合は、血糖値を確認すると共に、速やかに糖分(飴ちゃんでも大丈夫です)を摂取する必要があります。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME