いびき睡眠時無呼吸外来
閉塞性の睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、寝ている時に空気の通り道である気道が狭くなって、一時的に呼吸が止まってしまう疾患です。酸素の取込みが悪くなり、眠りも浅いので、日中の眠気が強くなり、身体に過度な負担がかかってしまいます。元々のあごの形などでなりやすいor なりにくいがありますが、特に昔と比べて体重が増えた方は要注意です。
いびきと無呼吸
先に述べたようにOSASは、気道が狭くなることが原因です。空気が狭い気道を通る際、空気の振動で音が発生し「いびき」も起こりやすくなります(いびきが大きい方はOSASの予備軍であるとも言えます)。いびきだけなら問題ありませんが、無呼吸が起きて酸素の取込みが悪くなると、身体に負担がかかります。眠りも浅くなって、神経も高ぶっているので、日中の眠気がひどくなりますし、血圧も高くなりやすくなります。
また経験的にも想像がつきやすいかもしれませんが、体重が増えると必然的にあごや首回りにも肉がつきますので、いびきが起こりやすくなります。同じ理由で無呼吸も起こりやすくなりますし、肥満自体が高血圧を始めとした生活習慣病のリスクですので、二重で良くありません。
OSASの診断・治療
当院では耳鼻咽喉科専門医が喉頭ファイバーを行い、どの程度気道が狭くなっているのかを目で見て確かめることが出来ます。また治療をどうするかという判断基準としては、実際寝ている時にどの程度(回数)無呼吸・低呼吸が起こっているのかが、重要なポイントとなります。
無呼吸・低呼吸の回数を睡眠時間で割った数(1時間あたりの無呼吸・低呼吸回数)をAHIと言います。まずは簡易的な検査を行ってAHIを調べますが、AHIが40を超えるような場合は(重症)機械で圧力をかけて空気を送り、気道の閉塞を防ぐ治療(CPAP療法)をお薦めします。
またAHIが40まではいかないけれど、20程度でそれなりに高い場合は、PSGと呼ばれる精密検査を行います。当院では、入院ではなくご自宅で精密検査を受けていただくことが可能なので、普段の環境を異なり寝づらくて検査がうまく出来なかったという心配もありません。精密検査でAHIが20以上と確認された場合は、やはりCPAP療法をお薦めする形になります。
AHIが20を超えない程度であれば、症状があまりないのであれば経過観察も選択肢となります(体重を減らすなどで是正される可能性もあり)。また軽症の場合は、歯科・口腔外科にお願いしてマウスピースと呼ばれる装具を作成し、下顎を前に突き出すような形で維持することで、気道を確保するという方法もあります。