PitEye検査
新しいめまい検査機器(PitEye)について
2024年10月現在 大阪では当院が5台目に導入したPitEye検査についてご紹介します。
PitEye(ピット アイ)検査とは、VRの仮想空間を使って指標を追跡する時の眼球の動きを見る検査です。肉眼では見えない目の動きもこの機械を使うことで見ることができ、眼球の動きでめまいの障害部位を診断する機械です。より専門的にめまいの診断や治療の精度を上げるため、当院では新たに短時間でこれらの検査ができる最新の機器を導入致しました。
〈検査の流れ〉
①ゴーグルを装着します
②音声とVR上に文字が出ますので、それに従って検査をすすめます
③所要時間は約5~6分で、毎回の検査では上から5番目までを行い、症状に合わせながらその他の検査も行います。
〈検査出来る項目〉
・自発眼振検査
・注視眼振検査
・急速眼振運動検査
・指標追跡検査
・視運動性眼球運動検査
・ビデオヒットインパルス
・迷路瘻孔症状検査
・頭位眼振/頭位変換眼振検査
・温度刺激検査
・前庭動眼反射運動
体の平衡(バランス)の維持機構について
人がバランスを保つためには、内耳にある前庭(三半規管や耳石)からの情報と、関節や筋肉などにある深部知覚の受容器からの情報が重要です。それに視覚情報も加わり、脳が統合的にそれらの情報を処理し体の平衡を保ちます。このバランスがどこか一つでも崩れるとめまいを感じます。
また、めまいがすると多くの患者様には吐き気や嘔吐がおこります。これも自律神経の反射の一種です。バランス感覚をになう反射の中で①前庭眼反射、②前庭脊髄反射、③前庭自律神経反射と呼ばれる三つの反射はとても重要な役割を果たしています。
例えば、動いている電車の中でも文字がぶれずに読めるのは、意識的に眼球を動かす運動に加え、三半規管からの情報を脳が処理し、前庭眼反射が機能することにより、体や頭の動きに対応して無意識のうちに微細な眼の動きが起こるからです。両側の三半規管の機能が低下すると、前庭眼反射が低下し、電車の中では、文字がぶれて見えるようになります。めまいの患者様に行う検査は、前庭などに刺激を加え、その反射に異常がないかを調べます。検査では、回転加速度を感じ取る三半規管やその情報を中枢神経に伝える前庭神経の機能を調べます(注視・頭位・頭位変換眼振検査・前庭眼反射・温度眼振検査)。また、その信号を処理する小脳や脳幹に障害が起こるとめまいや平衡障害を起こすことが多いとされています。これらは眼球運動に異常を生じることが多く、たとえば指標を正確に眼で追えないなどの障害が起こります。そのため、脳の病気でめまいが起こっていないかを見分けるためには、指標追跡検査・視運動性眼振検査・急速眼球運動検査といった検査で眼球運動の障害がないかを調べる必要があります。
当院では患者様の症状に合わせてこれらの検査を組み合わせて行うことにより、専門的なめまいの診断・治療を行っています。