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大人のぜんそく

喘息(ぜんそく)とは、空気の通り道(気道)が慢性的に炎症を起こすことで敏感になり、発作的に気道が狭くなったり、咳が止まらなくなる症状を繰り返す疾患です。
そう言われると子供の時は確かに小児ぜんそくがあったけど…大人になって忘れた頃に出てくることがあります。
また花粉や寒暖差など(炎症や刺激が変わることによる)季節の影響を受けたり、普段は大丈夫だけど風邪引いた時に咳がよく続く(感染後咳嗽)ということもあります。

気管支喘息

喘息の原因は、一言で言えば気道で起こるアレルギーです。
気管支喘息は文字通り気管支(下気道)で炎症が起こっていますが、空気の通り道は鼻(上気道)から繋がっているので、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎など上気道での炎症・アレルギーとも密接に関係しており、合併することも多いです。

気管支喘息の診断は、症状の出方や環境因子、家族歴などでまず「疑う」ことから始めます。
その上で聴診や、気道の炎症やアレルギーを確認するために呼気NO検査を行い、場合によって呼吸機能検査を行います。
呼吸機能検査では1秒間に吐き切ることの出来る息の量(1秒量)が少なくなりますが、同じような結果を示す病気として慢性閉塞性肺疾患(COPD)もあり、見分ける必要があります(両者がオーバーラップしていることもあり)。

大項目1つに加え、小項目のうち1つ以上を満たす場合、喘息を疑う

大項目 

喘息を疑う症状(喘鳴、咳、痰、息苦しさ、胸の痛み)がある

小項目(症状)
  1. ステロイドを含む吸入薬もしくはステロイドの内服で症状が改善
  2. 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
  3. 3週間以上持続する咳
  4. 夜間を中心とした咳
  5. 息苦しい感じを伴う咳
  6. 症状は1日の中でも変動する
  7. 症状は季節により変動する
  8. 症状は香水や線香などの香りで誘発される
小項目(背景)
  1. 子供の頃も含め、喘息と言われたことがある
  2. 両親もしくは兄弟姉妹に喘息の方がいる
  3. 血液中の好酸球が高い
  4. 好酸球性副鼻腔炎がある
  5. アレルギー性鼻炎がある
  6. 最近ペットを飼い始めた
  7. アレルギー検査でダニ、カビ(真菌)、動物の反応がある

喘息診療実践ガイドライン2022を一部改変

咳喘息

咳喘息は、気管支喘息とは異なって喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)がなく、咳が主な症状となります。
ただ気管支が過敏になっているという点は似ており、冷たい空気や煙などが刺激となって咳が出ます。
呼気NO検査で数値が高くなりますが、呼吸機能検査で異常は認めません。
気管支を拡げる薬で効果を認めますが、症状により、気管支喘息と同じくステロイドを含む吸入薬を使用します。

症状が治まれば治療薬を止めることも可能ですが、3-4割程度は気管支喘息に移行すると言われており、慎重に経過をみる必要があります。

のどが原因で起こる咳(アトピー咳嗽、感染後咳嗽)

喘息とは異なりますが、同じように空気の通り道が刺激されやすくなっている病態としてアトピー咳嗽と感染後咳嗽があります。
アトピー咳嗽は、アトピー性皮膚炎などのアレルギーがある方、血液中の好酸球が高い、その他ハウスダストやダニなどアレルギー検査で陽性反応がある方などで起こり得る疾患です。
咳喘息と同様に咳がメインの症状ですが、気道にある咳の受容体が敏感になっていることで起こると考えられています。
咳喘息とは異なり、気管支を拡げる薬は効かないというのが大きな違いです。
アレルギーによる炎症が原因なので、アレルギーを抑える飲み薬や吸入または内服ステロイドは効果があります。

また風邪を引いた後に咳だけが続く状態を感染後咳嗽と言います。
原因が完全に解明されていない部分もあり、また複数の要因によるとも考えられていますが、いずれにしても上気道で炎症が起こって敏感になっていることが一因です。
他の疾患が除外出来て初めて疑うことになりますので、聴診その他胸部レントゲンで肺炎などないかも併せて確認します。
症状に応じて咳止めその他、気管支喘息や咳喘息に準じた対応を考慮します。

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